5月 122013
 

先日友人に誘われて、東京ミッドタウン・ガーデン内の「21_21designsight」で行われている「デザインあ展」に行ってきました。

実はこの展覧会の詳細をあまり知らず、
①NHKの番組関連らしい
②デザイナー佐藤卓が絡んでいるらしい
③参加型展示らしい
という情報のみで行ってきました。

感想としては変に小難しく「デザイン」や「アート」をしていなくて、おもちゃで遊んできたような感じで楽しかったです。それもそのはず。そもそもこの展覧会の母体である番組、NHKの「デザインあ」自体が老若男女を問わず、普段あまりデザインに触れる機会が少ない人向けのデザイン啓発番組だったんですね。

■身体を動かして楽しむ体感型展示

さて、展示は多岐に渡っていました。ほとんどのものは手や身体を動かす「参加型」のもの。身体を大きく動かす展示(というより、「アトラクション」と言った方が近いかも)の前では子どもたちが大はしゃぎ。例えば。

・大きな「あ」の文字の欠けている一画を自らの身体で補い、自らが「あ」の一部になる。来場記念の撮影スポットでもあります。言ってみれば、とんねるずの「モジモジくん」みたいな感じかな。

・自分の身体をめいっぱいに動かすと、壁に投射された「あ」が動きに合わせて形を変える【動く「あ」】。その踊る姿は撮影され、なぜか点数が付きます(笑)。

・「ふろしき包み」の体験コーナー。画面のふろしきの包み方を見よう見まねで追っていくと…見事、美しい風呂敷包みが完成。これは子どもに対する体験教育としてもいいかも知れません。同様に折り紙体験コーナーも。

■デザインへの「気付き」を生む仕掛け

会場にはデザインへの気付きを与える様々な展示群も。
普段あまり意識しない日常の道具の「デザイン」を細かく解体、観察します。一部をご紹介。

・「解散!」シリーズ
一個の物を徹底的に解体し、細かいパーツに分けて並べます。寿司は米の一粒一粒、ワサビ、ネタなどに細分化されます。カップヌードルの容器もロゴ、食品表示、バーコードなど徹底的に剥がされ、ズラーッと並べられます。

普段一つの個体として認識している寿司やカップヌードルの形も、実は一つ一つの細かいパーツの組み合わせで出来ており、パーツそれぞれにも個別の形、デザインがあります。パーツに解体して個別に見る事で、完成された寿司やカップヌードルのデザインが改めて意識されます。考えてみれば人体も色んな形をした小さなパーツの集まりですよね。

・こすってみコイン
人気で黒山の人だかりができていたのが、世界各国のコインを色鉛筆でなぞり、紙に写す「こすってみコイン」。コインの凸凹が作り出すデザインを、鉛筆を動かしなぞる事で指先で体感できる試み。配られた用紙は財布の形をしており、各国のコインを収集するような楽しみがありました。知らない国のコインがたくさんあって、子どもたちは楽しいだろうなあ。

・ちょうどいい
会場で目を惹くのが、小さいお寿司から巨大なお寿司(人間の上半身くらい!)までのフィギアを大きさ順に、グラデーションに並べた「ちょうどいい」。ここは記念撮影スポットになっていました。言われてみれば普段食べている握り寿司の大きさは絶妙であり、これより大きくても小さくても食べるのに困るし、恐らく美味しく感じないでしょう。世の中にはそんな「ちょうどいい」大きさのデザインがあります。

・ごちゃまぜ文庫
本棚の中に本を模した木製の積み木が並んでいます。それら積み木の本は上下二つに分割でき(ちょうど本のタイトルが真ん中で二分割されるようになっている)、別の本と組み替えて新しいタイトルの本をつくる事が出来ます。たとえば「はだかの / おうさま」と「つるの / おんがえし」→「はだかの / おんがえし」のような感じ(笑)。子供たちは大喜利的に想像力を働かせて、大笑いしていました。

また、一緒に行った友人はすでに組み合わされた新しい本の中から面白いものをセレクトし、「マイ本棚」をつくっていました。創作するタイプと編集するタイプ、二種類の人間がいるようです。

■コーネリアスの音と映像作品も

その他「モノ・オトと映像の部屋」「音の廊下」はコーネリスこと小山田圭吾が担当しています。「モノ・オトと映像の部屋」では番組でも流れている「うた」のコーナーが、360度の視界の映像と音で楽しめます。こちらは大人が楽しむコーナーかも。

■みんなでワイワイ型の展覧会

この展覧会は子供と一緒、あるいは友人とワイワイと行った方が一緒に遊べるし楽しいと思います。なにしろたくさんの展示という名の「おもちゃ」があるので、早めの時間帯に入場して時間をかけて楽しむ事をおススメします。土日はかなり混雑しているので、平日の夕方に子供を連れて半分勉強、半分遊びの気分で来るのもいいかも。館内は写真撮影も可能です。

入場料入場料は一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下は無料。
会期は2013年6月2日(日)まで、開館時間は11:00〜20:00まで。

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5月 122013
 

■有効期間が二ヶ月なので、ゆっくりと美術館巡りができる

東京都内77の美術館、博物館、動物園、水族館等をめぐる際に使える「ぐるっとパス2013」(2,000円)について。この便利さ、ご存知の方も多いのでしょうか。僕は知りませんでした。

実は今まで大きな勘違いをしていて、「ぐるっとパス=2,000円」は一日限り有効のフリーパスだと思っていました。朝早くにパスを購入して、上野の美術館、博物館、動物園を必死に回って。ご飯もほどほどに、夜は遅くまでやってる六本木の森美術館あたりに行って…。

一日で2,000円分以上使うのはせわしなく、一体このパスの存在意義は何なのだろうと疑問に思っていました。ところが、たまたま図書館で手に取った「ぐるっとパス」のチラシを熟読してみると、有効期間は二か月、各施設ごとに無料あるいは割引チケットが一枚ずつ(つまり各施設一回ずつ)綴られているというではないですか。これは便利かもしれない。

↓「ぐるっとパス」案内ページ(公益財団法人東京都歴史文化財団)
http://www.rekibun.or.jp/grutto/

■美術館から動物園まで。有名どころの施設が揃う

利用できる有名どころの施設をざっとピックアップするとー。
※下世話ながらも、参考までに「大人一般一人」の入場料を挙げておきます。施設によっては常設展のみ無料、企画展は割引価格で入場というパターンもありますのでご注意を。なお、割引価格については、各施設へお問い合わせください。

<主な無料入場券>

上野動物園(600円)、国立科学博物館(常設展・企画展600円。特別展は割引)、三井記念美術館(1,000円~1,200円)、相田みつを美術館(800円)、科学技術館(700円)、東京国立近代美術館(常設展420円。企画展は割引)、古代オリエント博物館(500円)、印刷博物館(300円)、ちひろ美術館・東京(800円)、葛西臨海水族園(700円)、夢の島熱帯植物館(250円)、東京都現代美術館(MOTコレクション500円。企画展は割引)、江戸東京たてもの園(400円)、井の頭自然文化園(400円)、多摩動物公園(600円)など。その他多数施設の無料入場券あり。

<主な割引券>

上野の森美術館国立西洋美術館国立博物館東京都美術館森美術館国立新美術館東京オペラシティアートギャラリー出光美術館など。

↓ 全77対象施設一覧と利用条件。
http://www.rekibun.or.jp/grutto/museum2013.html

何しろ有効期間が二ヶ月(最初の利用から二ヶ月)もありますから、計画を立てて各施設を回っていけばかなりお得です。例えば動物シリーズで【上野動物園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園・多摩動物公園】の四ヶ所を回っただけで2,300円分になりますから、それだけで元が取れてしまいます。

■「メトロ and ぐるっとパス」「都営deぐるっとパス」もチェック

ちなみに「メトロ and ぐるっとパス」「都営deぐるっとパス」なるさらにお得なセットも発売されています。
例えば「メトロ & ぐるっとパス」の場合。東京メトロ一日券×2枚(1,420円相当)+ぐるっとパス1冊(2,000円)のセットが、通常価格だと3,420円のところ2,800円となります。美術館巡りに東京メトロをフル活用してもいいし、別の日に所用で丸一日メトロを使ってもいいわけで、こちらもお得です。「都営deぐるっとパス」も同様のサービスで2,800円。

↓ 東京メトロ「メトロ and ぐるっとパス」の案内ページ。
http://www.tokyometro.jp/ticket/value/1day/index.html#anc04
↓ 東京都交通局「都営deぐるっとパス」の案内ページ。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/fare/otoku_gurutto.html

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3月 242013
 

これはいい企画だなあ、というのをひとつ。

東日本大震災による津波被害により大きな被害を受けた宮城県女川町で、2013年3月23日初めて行われた「津波伝承 女川復幸男(ふっこうおとこ)」。高台への素早い避難の大切さを後世に伝えるべく、老若男女90人が200メートルの坂道を駆け上がりました。

“津波から逃げろ”女川町で坂道駆け上がる祭り「復幸男」初開催〜スポニチより
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/03/24/kiji/K20130324005465180.html

■神事は神のためならず?生活の中のお祭り
あの西宮神社の「開門神事福男選び」を参考に町の観光協会が企画したのだとか。「不謹慎」と言われかねない状況の中、よくアイディアをひねり出し実行に移したなと思います。

現代における神事や祭りは形骸化していて、町おこしや観光のコンテンツのひとつ、くらいに認識されてしまっているモノも多いように思います。

元来、神事は生活と密接に結びついていました。例えば江戸時代の村の夏祭りであれば、その日は村の外の若者が祭りにやってきて、そこで出会った村の若者との間で性交が行われていました。これは閉ざされた村落共同体の中に外部の血を入れるための知恵であり、「祭り」という形をうまく利用して村落共同体の運営を潤滑に行っていた一例でしょう。政治や共同自治だけではうまく回らないような生活の隙間の部分に、うまい具合に宗教というシステムを絡めて補っていたのです。

■伝統は過去から与えられるだけのものではない

さて、今回の「女川復幸男」。東北の方達にとっては忘れたいけれど忘れてはいけない、伝えなければならない忌まわしい記憶を、うまく企画に落とし込んでいるように感じました。これが「女川町長杯争奪戦!」とかだと資本主義的悪ふざけと受け取られてしまいますが、西宮の「福男」を拝借することによって「神事」として成立させています。もちろんここでいう神さまは荒ぶる「津波」であり「自然」でしょう。これが毎年行われるようになれば、人々の身体に津波=高台へ逃げろ!という図式が無意識のうちに刷り込まれていくのではないでしょうか。

今後100年200年と語り継いでいかなければならない「津波の記憶」。一過性の「イベント」であれば、採算が取れなければやがてそれは消えてしまいます。どんなに町が変わろうとも神社仏閣が変わらずに存在し続けるように、「女川復幸男」もうまく「神事」として定着させる事が出来れば、時間とともに物語が形成され本当のお祭りになっていくのかも知れません。伝統はただ過去から受け取るだけのものではなく、今生きている私たちが新しく創っていくものでもあります。

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