5月 182013
 

昨年4月にリニューアルされた「浅草文化観光センター」。雷門の目の前という浅草の一等地にある台東区の施設です。建築設計は「負ける建築」でおなじみの隈研吾。ガラスと木を素材とした外観が目を惹くいわゆる「観光案内所」です。

浅草観光と言えば雷門前での撮影だ!とばかりに観光客に背を向けられてしまうのか(笑)、案外このビルに立ち寄る人は少ないように思います。1,2階に入っている通常の観光案内施設部分の他に、実はエレベーターで上の階にいくと楽しいんです。ここを利用しないのはもったいないので、ご紹介します。

■1階は案内カウンター・外貨両替所・各種パンフレット集めに

まずは1階から。こちらはツーリスト・インフォメンションセンター。様々な観光の相談ができます。カウンターにはスタッフが複数いますので、それほど待たずに応対してくれると思います。カウンター横には周辺施設の各種パンフレットや地図が多数あります。もちろん自由に持ち帰れます。それと、1階には外貨両替所があるので、外国人観光客の方には便利ですね。
浅草文化観光センター
↑ 1階はおしゃれな観光案内所。隈研吾の木を使った建築も心地よい。

浅草文化観光センター都市模型
↑ 1階にある浅草周辺・台東区域を上空から俯瞰した都市模型。結構力作。
重要な建築物、施設はぴょこんと上に飛び出ているので位置関係を把握しやすい。

■2階は情報検索をしたい方に。パソコン・電源コンセント(無線lanも)あり。
授乳室も。

2階はずいぶんと人が少なかったのですが、もう少し活用されるべきですね。2階奥には4台のパソコンが並び、自由にインターネット検索が出来るようになっています。うち一台はSkype(スカイプ)に対応。端末を持っていない人は、お店を探す時に混雑した町中を歩き回るよりもココへ来て情報検索をした方が早そうです。

雷門を眺められる渡り廊下には、イスはありませんがカウンターが設けられており、こちらで持参のパソコン・スマートフォン等を利用できます。公衆無線Lan「Wi-Fi NEX(ワイファイ ネックス)」が入っているので、ネットが出来ますよ。コンセントがあるので充電も可能です。これは特に若い人はどんどん活用すべき。
それと授乳室もありますので、赤ちゃんや小さいお子さん連れの方はここへ駆け込みましょう。
浅草文化観光センターの電源コンセント

■8階の展望テラスは浅草寺一望!今までにない景観は感動体験

ほとんどの人は1階だけを見てそのまま雷門へ行ってしまいますが、あえてエレベーターで8階へ行ってみましょう。8階には「浅草展望カフェ みはらしや」が入っています。眺望がいいので利用してもいいのですが、今回は敢えてその横の入り口から「展望テラス」へ。こちらは無料で、ベンチに座っての休息も可能。

この展望テラス、せっかく浅草に行ったら上らなければ損です。雷門から浅草寺、五重塔までを模型のように眺められるほか、隅田川と対岸のスカイツリーも見事な眺望。居合わせたおばちゃまは「スカイツリーに何千円も出すなら私はここの展望台でいいわ♥スカイツリーに上ったらスカイツリーが見えないし」と興奮しながら語っていました。

実はこの「浅草文化観光センター」、建て替えの時に雷門が日陰になることが問題になりました。このビル、40mという高さですからね。雷門のほぼ真南にあるわけですから、異論が出るのもわかります。逆に言えば、今までこの場所、高さから浅草寺を見る事は出来なかったわけです。

下界の街には数千人の観光客でごった返していたのに、こちらは10数人しかおらず。
ずいぶんとまったりとした時間が流れておりました。
浅草文化観光センター展望テラス
↑ 外国人観光客のみなさんも「いい場所を見つけた!」といった感じで嬉しそうに浅草の風景を撮影。
日本のいい思い出になったかな?
浅草文化観光センター展望テラスからの浅草寺の眺め
↑ この浅草寺の俯瞰風景、新しい視点という感じです。
でも、やっぱり雑居ビルのゴチャゴチャ感が残念…

■7階は展示スペース。6階は映像を見ながら休息、飲食ができます

展望スペース外階段から7階へ。こちらは展示スペース。現在はル・コルビジュエに関する展示をやっていて、何で?と思ったら同じ台東区上野の森の「国立西洋美術館」の世界遺産登録推進のためみたいですね。併せて台東区内各地「谷中・上野・御徒町・下谷・根岸・浅草・浅草橋・蔵前」の紹介も。こうして見ると個性的な街が多い台東区の観光ポテンシャルって高いです。メモメモ。

6階は「多目的スペース」と銘打ってあります。こちらは映画館のような空間で、台東区のまちづくりに関する映像が流されています。今回は「三社祭」についてのドキュメント映像。ここの利点は「休憩・飲食」が可能という事。暑い時、寒い時は空調が利いているココで休憩するのもアリですね。すいてますし。

「浅草文化観光センター」は午前9時から午後8時まで開館、展望テラスは午後10時まで。夜景に対応(笑)。五重塔や本堂がライトアップされる時間帯は綺麗でしょうね。なお、「浅草展望カフェ みはらしや」は午前11時から午後7時までの営業なので注意。

浅草文化観光センター・施設概要(台東区ホームページ)
http://www.city.taito.lg.jp/index/bunka_kanko/kankocenter/a-tic-gaiyo.html

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5月 092013
 
3月 242013
 

これはいい企画だなあ、というのをひとつ。

東日本大震災による津波被害により大きな被害を受けた宮城県女川町で、2013年3月23日初めて行われた「津波伝承 女川復幸男(ふっこうおとこ)」。高台への素早い避難の大切さを後世に伝えるべく、老若男女90人が200メートルの坂道を駆け上がりました。

“津波から逃げろ”女川町で坂道駆け上がる祭り「復幸男」初開催〜スポニチより
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/03/24/kiji/K20130324005465180.html

■神事は神のためならず?生活の中のお祭り
あの西宮神社の「開門神事福男選び」を参考に町の観光協会が企画したのだとか。「不謹慎」と言われかねない状況の中、よくアイディアをひねり出し実行に移したなと思います。

現代における神事や祭りは形骸化していて、町おこしや観光のコンテンツのひとつ、くらいに認識されてしまっているモノも多いように思います。

元来、神事は生活と密接に結びついていました。例えば江戸時代の村の夏祭りであれば、その日は村の外の若者が祭りにやってきて、そこで出会った村の若者との間で性交が行われていました。これは閉ざされた村落共同体の中に外部の血を入れるための知恵であり、「祭り」という形をうまく利用して村落共同体の運営を潤滑に行っていた一例でしょう。政治や共同自治だけではうまく回らないような生活の隙間の部分に、うまい具合に宗教というシステムを絡めて補っていたのです。

■伝統は過去から与えられるだけのものではない

さて、今回の「女川復幸男」。東北の方達にとっては忘れたいけれど忘れてはいけない、伝えなければならない忌まわしい記憶を、うまく企画に落とし込んでいるように感じました。これが「女川町長杯争奪戦!」とかだと資本主義的悪ふざけと受け取られてしまいますが、西宮の「福男」を拝借することによって「神事」として成立させています。もちろんここでいう神さまは荒ぶる「津波」であり「自然」でしょう。これが毎年行われるようになれば、人々の身体に津波=高台へ逃げろ!という図式が無意識のうちに刷り込まれていくのではないでしょうか。

今後100年200年と語り継いでいかなければならない「津波の記憶」。一過性の「イベント」であれば、採算が取れなければやがてそれは消えてしまいます。どんなに町が変わろうとも神社仏閣が変わらずに存在し続けるように、「女川復幸男」もうまく「神事」として定着させる事が出来れば、時間とともに物語が形成され本当のお祭りになっていくのかも知れません。伝統はただ過去から受け取るだけのものではなく、今生きている私たちが新しく創っていくものでもあります。

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